親子で遊びながら計画力を育む!幼児〜小学生低学年向けボードゲームの選び方
ボードゲームで育む、お子さんの「計画力」
お子さんの成長を見守る中で、「自分で考えて行動できるようになってほしい」と願う親御さんは多いことでしょう。将来に向けて、物事を論理的に考え、目標達成のために手順を組み立てる「計画力」は、とても大切な力の一つです。
この計画力は、日々の生活や学習の中でも自然と育まれますが、ボードゲームもまた、楽しみながらこの力を伸ばす素晴らしい機会を提供してくれます。ボードゲームでは、ゲームの目標を理解し、相手の動きを予測しながら、自分の次の手や数手先の展開を考える必要があります。これはまさに、「計画」の第一歩と言えるでしょう。
「計画力」を育むボードゲームの選び方
幼児期から小学生低学年のお子さんと一緒に計画力を育むためには、どのようなボードゲームを選べば良いのでしょうか。以下の点を参考に、お子さんにぴったりのゲームを見つけてください。
- ルールが簡単で、目標が明確なゲーム: まずは複雑すぎないルールで、ゲームのゴールが分かりやすいものから始めましょう。目標が明確であれば、「どうすればそこにたどり着けるかな?」と自然に考えるきっかけが生まれます。
- 数手先の展開を考える要素があるゲーム: 例え短くても、「このカードを使うと次にどうなるか」「この場所に駒を置くとどうなるか」のように、自分の行動がその後に影響を与えるゲームが適しています。
- 選択肢があり、結果が分かりやすいゲーム: いくつかの選択肢の中から最適なものを選ぶ過程で、お子さんは自然と「もしこうしたら?」とシミュレーションを始めます。その選択の結果がゲーム内で比較的早く明らかになるゲームは、試行錯誤からの学びにつながります。
- 試行錯誤や失敗から学べるゲーム: 計画通りにいかなくても、「なぜうまくいかなかったのかな?」と振り返り、次に活かす経験が大切です。失敗を恐れずに何度も挑戦できる雰囲気のゲームを選びましょう。
おすすめボードゲーム紹介
ここでは、上記の選び方を踏まえ、親子で遊びながら計画力を育めるおすすめのボードゲームをいくつかご紹介します。
チケット・トゥ・ライド:ファーストジャーニー
- 対象年齢: 6歳から
- プレイ人数: 2〜4人
- プレイ時間: 約15〜30分
- ジャンル: 経路探索、セットコレクション
ゲーム概要: プレイヤーは列車カードを集めて、目的地カードに描かれた2つの都市間を線路でつなぐことを目指します。一番早く6枚の目的地カードを達成したプレイヤーの勝利です。子供向けにルールが簡略化されており、短時間で遊べます。
計画力のポイント: 目的地カードを達成するためには、「どの色の列車カードが必要か」「どの都市からどの都市へ向かうか」「限られた線路駒をどう使うか」を考える必要があります。手札の列車カードや、他のプレイヤーの動きを見ながら、どの目的地カードから優先的に達成するか、線路をどこに敷くかといった計画を立てる力が養われます。
親子の遊び方と効果: 親子で一緒に地図を見ながら、「まずはこの都市に行こうか」「あと何枚赤い列車カードがあればいいかな?」と会話することで、お子さんの計画をサポートできます。計画通りに線路がつながった時の達成感は大きく、次の計画への意欲につながります。簡単なルールなので、初めての計画系ゲームとしてもおすすめです。
キャメルアップ ジュニア
- 対象年齢: 4歳から
- プレイ人数: 2〜5人
- プレイ時間: 約15分
- ジャンル: レース、予測、運
ゲーム概要: カラフルなラクダたちがピラミッドの周りをぐるぐる回るレースです。各プレイヤーは、どのラクダがどのマスに止まるか、誰かが特定のマスに止まった時にボーナスがもらえるチップをどこに置くかを考えます。ゲーム終了時にお金を一番多く持っているプレイヤーが勝ちです。
計画力のポイント: このゲームでは、サイコロの出目によってラクダの進む順番やマスが変わりますが、どこにチップを置くか、どのラクダの動きに注目するかといった選択には計画が必要です。「このラクダは今この位置だから、次に誰かがサイコロを振るとあのマスに進むかもしれない。そこにチップを置こう」のように、短いスパンでの予測と、それに基づいた行動計画を立てる練習になります。
親子の遊び方と効果: カラフルで見た目も楽しいゲームなので、小さなお子さんでも興味を持ちやすいです。サイコロの出目という運の要素も強いですが、その中で少しでも有利になるように考える過程が計画力を刺激します。「どの色が好き?そのラクダが止まりそうなところに置いてみようか」などと声かけしながら、遊びの中で簡単な予測と計画の楽しさを伝えられます。
ウボンゴ ミニ / ジュニア
- 対象年齢: 7歳から(ミニ)、5歳から(ジュニア)
- プレイ人数: 1〜4人
- プレイ時間: 約10〜20分
- ジャンル: パズル、空間認識
ゲーム概要: さまざまな形のパズルピースを使って、カードに示されたマス目をぴったり埋めるパズルゲームです。時間内にパズルを完成させ、宝石を集めたプレイヤーの勝利を目指します。ミニやジュニア版は、大人向けよりもピースの数やマス目が少なく、遊びやすくなっています。
計画力のポイント: これは一見パズルゲームですが、限られた時間の中で複数のピースを組み合わせて形を作る過程で、どのような順番でピースを置いていくか、どのピースから試してみるかといった計画が必要になります。特に複雑な形のマス目を埋める際には、「まず角を埋めるピースを探そう」「この大きいピースをここに置くと、残りはどんな形になるかな」のように、効率よく進めるための手順を考える力が養われます。
親子の遊び方と効果: 親子で協力して一つのパズルに挑戦したり、競争したりと、さまざまな遊び方ができます。「まずはこのピースから置いてみようか」「この向きじゃ入らないね、回してみよう」など、試行錯誤しながら一緒に考えることで、お子さんの思考プロセスをサポートできます。視覚的に結果がすぐに見えるため、成功体験を積み重ねやすく、「どうすれば早くできるかな?」と工夫する意欲につながります。
ボードゲームを通じて、計画する楽しさを
ここでご紹介したゲーム以外にも、お子さんの興味や成長段階に合わせて、計画力を育むことができるボードゲームはたくさんあります。大切なのは、大人が一方的に教え込むのではなく、お子さん自身がゲームの目標を理解し、「どうすれば達成できるかな?」と主体的に考える過程を大切にすることです。
ゲームで立てた計画がうまくいかなくても、それは失敗ではなく、次に活かすための貴重な経験です。「次はこうしてみたらどうかな?」と、一緒に振り返り、次の手を考えるサポートをしてあげてください。
ボードゲームは、単にゲームをクリアするだけでなく、考える力、試行錯誤する力、そして計画する力を自然と育む素晴らしいツールです。ぜひご家族でボードゲームの時間を楽しみながら、お子さんの成長を応援してください。