片付けまでが遊び!親子で楽しく取り組むボードゲームの選び方と工夫
遊びの後の片付け、どうしていますか
小さなお子さんと一緒にボードゲームを楽しむ時間は、親子の貴重なふれあいとなり、子供の成長にとっても素晴らしい機会です。しかし、楽しい遊びの時間が終わった後、たくさんの小さなコマやカードを片付けるのは、少し大変だと感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。せっかく盛り上がったのに、片付けで親子どちらかの気持ちが冷めてしまったり、片付けが親の負担になってしまったりすると、ボードゲームへのハードルを感じてしまうこともあるかもしれません。
ボードゲームを長く、気持ちよく楽しむためには、「片付け」も大切な一部として捉え、親子で楽しく取り組む仕組みを作ることが有効です。ここでは、片付けがしやすいボードゲームを選ぶポイントや、片付けを遊びに変えるための工夫、そして具体的なおすすめゲームをご紹介します。
片付けしやすいボードゲーム選びのポイント
ボードゲームを選ぶ際に、「片付けやすさ」という視点も加えてみましょう。遊びの楽しさはもちろん大切ですが、後片付けがスムーズだと、親子の負担が減り、またすぐに次のゲームを遊ぼうという気持ちになります。
- コンポーネントの数や種類が少ない カードゲームや、大きめのコマが数個だけのゲームは、片付けるものがシンプルで分かりやすいです。小さすぎるコマがたくさんあるゲームや、色や形が多岐にわたるコンポーネントが多いゲームは、分類したり数えたりする手間が増えることがあります。
- 収納方法が工夫されている 最初からゲームの箱に、コンポーネントを種類別に収納できるトレイや仕切りが付いているゲームもあります。また、ボード自体が収納ケースの一部になっていたり、コンパクトにまとめられたりするものも片付けやすいと言えます。
- 広げるものが少ない 大きなボードやたくさんのカード置き場を広げるゲームよりも、手札と小さなボードだけ、あるいは手札だけのゲームなど、物理的に占めるスペースが小さく、しまうものが少ないゲームは片付けが比較的簡単です。
片付けを「遊び」に変える工夫
「片付けなさい」と指示するだけでなく、片付けそのものを子供にとって楽しい活動にするための工夫をいくつかご紹介します。
- お片付け競争: 「どっちが早くおもちゃのお家(箱)に入れられるか競争!」と声をかけると、子供はゲーム感覚で取り組みやすくなります。
- 色分け・形分けゲーム: ゲームによっては、色や形でコンポーネントを分ける必要があります。これを「赤いコマは赤い部屋(箱のこの部分)へ」「丸いチップはこっちの山に集めよう」など、分類ゲームとして楽しめます。
- 宝探しゲーム: 「テーブルの上に隠れている宝物(ゲームのコンポーネント)を全部見つけられるかな?」と声をかけながら集めるのも楽しいでしょう。
- 子供に役割を与える: 「〇〇ちゃんはカード集める係ね」「△△くんはコマを箱に入れる係をお願い」など、特定の役割を与えると、責任感が芽生え、意欲的に取り組むことがあります。
- 片付け場所を決める: ゲームごとに専用の箱を用意したり、棚のどの場所にしまうかを決めたりしておくと、「〇〇ゲームのお家はここだよ」と教えやすく、子供も迷わずに片付けられます。
- 一緒に片付ける: 親も一緒に「これはここかな?」「あといくつ残っているかな?」などと声をかけながら片付けることで、子供は「一人でやらされている」と感じにくく、協調性も育まれます。
これらの工夫を取り入れることで、片付けは単なる作業ではなく、遊びの延長として、あるいは親子のコミュニケーションの時間として捉えることができるようになります。
片付けも楽しい!おすすめボードゲーム紹介
片付けやすさや、片付けを遊びにしやすいという視点でおすすめのボードゲームをいくつかご紹介します。
ぴっぐテン(対象年齢:4歳ごろから)
- プレイ人数: 2~8人
- プレイ時間: 15分程度
- ジャンル: カードゲーム、計算
ゲーム概要: プレイヤーは手札からカードを出し、合計が10になるようにします。10を超えてしまったら、場に出ている全てのカードを引き取らなければなりません。カードをたくさん引き取らないように、数字を考えながらカードを出していくゲームです。簡単な足し算を遊びながら学べます。
片付けやすさ・工夫: コンポーネントはカードのみです。ゲームが終わったらカードをまとめて箱に入れるだけで片付けが完了します。子供と一緒にカードを数えながら片付けたり、「数字の小さい順に並べてみようか」と声かけしたりすることで、数字への興味をさらに引き出すこともできます。
どうぶつしょうぎ(対象年齢:3歳ごろから)
- プレイ人数: 2人
- プレイ時間: 10分程度
- ジャンル: 将棋、思考、戦略
ゲーム概要: ライオン、ぞう、きりん、ひよこの4種類のどうぶつコマと、たった3×4マスの盤面で遊ぶ簡単な将棋です。どうぶつごとに動ける方向が決まっており、相手のライオンを取れば勝ち、あるいは自分のライオンを相手の「どうぶつえん」に入れることでも勝ちとなります。
片付けやすさ・工夫: コマの数が少なく、盤面も小さいのが特徴です。盤面を折りたたんでその中にコマをしまうタイプが多いので、全てを失くす心配が少なく、片付けがとても簡単です。コマの種類が少ないので、「ぞうさんはここ」「ひよこはここにまとめて」など、種類ごとに片付ける練習にもなります。将棋盤にコマを並べることから片付けが始まるので、「もとの場所に戻してあげようね」と声をかけやすいです。
ブロックス(対象年齢:5歳ごろから)
- プレイ人数: 2~4人
- プレイ時間: 20分程度
- ジャンル: タイル配置、陣取り、パズル
ゲーム概要: プレイヤーは配られた21個のピース(テトリスのような多角形のブロック)をボードの角からスタートして置いていきます。自分のピースは、すでに置かれている自分のピースと、角が接するように置かなければなりません。辺同士が接してはいけないというルールがあります。ボードに置けなくなったプレイヤーから抜けていき、最後に置けなかったピースが少ない人が勝ちです。
片付けやすさ・工夫: ピースが大きめなので、小さなお子さんでも掴みやすく、また失くしにくいです。ピースが赤、青、緑、黄の4色に分かれているため、「じゃあ今日は赤チームが赤のピースを集めてね」「青チームは青!」というように、色ごとに担当を決めて片付け競争をしたり、色分けの練習をしたりするのにぴったりです。全てのピースがボードや箱に収まることを確認するのも、パズル感覚で楽しめます。
片付けを遊びに取り入れることの価値
片付けを遊びの一部として捉え、親子で協力して取り組む習慣を身につけることは、ボードゲームを気持ちよく終えるだけでなく、子供の日常生活にも良い影響を与えます。
- 責任感の育成: 自分の使ったものは自分で片付けるという責任感が育ちます。
- 分類・整理能力: 色や形、種類ごとに物を分けることで、分類・整理する力が養われます。
- 協調性: 親や兄弟と一緒に協力して片付けることで、協力する楽しさや大切さを学びます。
- 達成感: 遊び道具がきれいになった状態を見て、達成感を得ることができます。
ボードゲームの楽しさは、遊んでいる時間だけではありません。準備から始まり、遊びを通して学びやコミュニケーションを育み、そして片付けまでをスムーズに行うことで、その経験はより豊かなものになります。ぜひ、ボードゲーム選びの際に「片付けやすさ」にも目を向けたり、片付けを遊びに取り入れる工夫を試してみてください。家族みんなで協力して、遊びの始まりから終わりまでをまるごと楽しんでいただけたら幸いです。