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ボードゲームで「負ける」ことから何を学ぶ?親子で乗り越える勝ち負けのヒント

Tags: ボードゲーム, 親子, 勝ち負け, 子育て, 感情教育

ボードゲームの楽しさと向き合う「勝ち負け」の側面

親子でテーブルを囲み、ルールを覚えて、一緒に笑ったり考えたりしながら進めるボードゲームは、家族の時間に彩りを加えてくれる素敵なツールです。しかし、ゲームにはしばしば「勝ち負け」がつきものです。特に小さなお子さんと遊ぶ際、「負けて悔しがる」「思い通りにならず泣いてしまう」といった場面に、どう対応すれば良いのか悩む親御さんもいらっしゃるかもしれません。

ボードゲームにおける「負け」の体験は、子供にとって初めて直面する挫折の一つとなり得ます。しかし、この経験は、感情のコントロールや他者との関わり方を学ぶ貴重な機会にもなり得ます。ここでは、ボードゲームを通じた勝ち負け体験について、親としてどのように向き合い、子供の成長に繋げていけるかのヒントをお伝えします。

なぜ子供は「負ける」のが嫌なのでしょうか

子供が負けることを極端に嫌がるのには、いくつか理由が考えられます。

こうした子供の気持ちに寄り添いながら、勝ち負けとの健康的な付き合い方を教えていくことが大切になります。

親としてできること:勝ち負けを成長の機会にするヒント

子供がボードゲームで負けてしまった時、親御さんの対応一つで、その経験がポジティブな学びになるか、ネガティブな体験で終わるかが変わってきます。

1. 感情を受け止める声かけ

まずは子供の「悔しい」「悲しい」という気持ちを否定せず、「負けちゃったね、悔しいね」「頑張ったのに残念だったね」と、寄り添う言葉をかけましょう。感情を言葉にして表現することを助け、受け止めてもらうことで、子供は安心感を覚えます。

2. 結果だけでなく過程を褒める

「勝った」「負けた」という結果だけでなく、ゲーム中に子供が頑張ったこと、工夫したこと、楽しんでいたことなど、過程に焦点を当てて褒めましょう。「よく考えてカードを出せたね」「最後まで諦めずに頑張ったね」「一緒に遊べて楽しかったよ」といった声かけは、結果がすべてではないということを伝え、自己肯定感を育むことに繋がります。

3. 親も「負け」を見せる

時には親御さんも、本気でプレイした上で「負ける」姿を見せることも有効です。「あー、負けちゃった!悔しいな!」と正直に感情を表しつつ、「でも楽しかったね」「次は頑張ろう!」と前向きな姿勢を示すことで、負けることは恥ずかしいことではなく、自然なことであり、そこから次に繋げられるということを、子供は親の姿から学びます。

4. 勝ち負け以外の楽しみに目を向ける

ボードゲームの楽しさは、勝つことだけではありません。カラフルな駒を動かすこと、サイコロを振るドキドキ感、絵柄をじっくり見ること、家族とのおしゃベりなど、ゲームの中に散りばめられた勝ち負け以外の楽しみに子供の目を向けさせてみましょう。「この絵かわいいね」「サイコロの目、ゾロ目だったね!すごい!」といった発見や共感は、勝敗の結果に関わらずゲームを楽しむ気持ちを育てます。協力型のボードゲームを選ぶことも、勝ち負けから一度離れて「みんなで目標を達成する楽しさ」を知る良い機会になります。協力型ゲームとは、プレイヤー同士が力を合わせ、ゲーム自体や定められた目標に全員で立ち向かうルールのゲームです。

5. 次への意欲を育む

負けてしまった後、「どうすれば次は勝てるかな?」「次はこうしてみよう!」と一緒に考える時間を持ちましょう。これは、失敗を分析し、改善策を考える力、つまり問題解決能力の基礎を育むことに繋がります。もちろん、無理強いはせず、子供が前向きな気持ちになった時に優しく促すことが大切です。

勝ち負け体験から子供が得られる大切なこと

ボードゲームでの勝ち負けの経験は、子供にとって単なる遊びの中での出来事以上の価値を持ちます。

まとめ

ボードゲームの勝ち負けは、時に子供を泣かせてしまうこともあるかもしれません。しかし、それは子供が成長する上で避けては通れない、大切な感情や社会性の学びの機会です。

親御さんが子供の気持ちに寄り添い、結果だけでなく過程を大切にする声かけをすること、そして親自身も勝ち負けを楽しむ姿勢を見せることで、子供は「負けることは悪いことではない」「負けても次がある」ということを学び、感情をコントロールする力や、困難を乗り越える resilient な心(しなやかな心)を育んでいくことができます。

ボードゲームを通じて、家族で笑い合い、考え合い、そして時には悔し涙を流すこと。その全てが、かけがえのない家族の思い出となり、子供の健やかな成長へと繋がっていくことでしょう。