見て発見! 親子で観察力・発見力を育むボードゲーム選び
ボードゲームで「見る力」を育てよう:観察力・発見力の重要性
お子さんは、周りの世界を「見て」、そこから多くのことを学んでいます。色や形、大きさの違いに気づく、物の隠し場所を見つける、絵の中から特定のアイテムを探し出す。こうした「見る力」、つまり観察力や発見力は、日常生活のあらゆる場面で役立つだけでなく、将来の学習においても大切な基礎となります。
お子さんの「見る力」を遊びながら自然に伸ばしたいとお考えの親御さんも多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが、視覚的な情報に注目し、何かを見つけ出す要素のあるボードゲームです。
観察力・発見力が育つボードゲームの選び方
観察力や発見力を養うことに焦点を当ててボードゲームを選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。
- 視覚的な情報が豊富か: 絵柄、色、記号、文字など、細部まで「よく見る」ことが求められるゲームが適しています。絵探しや間違い探しのような要素が含まれているかを確認してみましょう。
- 瞬時の判断が必要か、じっくり観察するか: ゲームによって、一瞬で特定の情報を見つけ出す反射的な観察力が必要なものと、時間をかけて細部を比較したり分析したりする観察力が必要なものがあります。お子さんの得意なことや、伸ばしたいポイントに合わせて選ぶことができます。
- テーマや絵柄はお子さんの興味を引くか: 好きなキャラクターや動物、乗り物など、お子さんが興味を持つテーマのゲームは、より集中して取り組むことができます。
- 難易度は適切か: 難しすぎると諦めてしまうこともあります。対象年齢を参考にしつつ、ルールがシンプルで、お子さんが「これならできそう」と思えるレベルから始めましょう。
おすすめの観察力・発見力を育むボードゲーム
これらのポイントを踏まえ、特におすすめのボードゲームをいくつかご紹介します。
イチゴリラ
- 対象年齢目安: 4歳から
- プレイ人数: 2~6人
- プレイ時間目安: 15分
- ゲーム概要: 複数の絵が描かれたカードが場に並べられ、山札からめくられたカードと同じ絵が描かれたカードを素早く見つけて取るゲームです。例えば、山札から「イチゴ」のカードが出たら、場にあるカードの中から「イチゴ」が描かれているカードを一番早く見つけた人がそのカードを獲得できます。
- ここがポイント: シンプルなルールながら、場に並んだカードを素早く目で追って目的の絵柄を見つけ出す集中力と観察力が養われます。同じ絵柄でも、他の絵と一緒に描かれているため、一つ一つの絵を正確に認識する力が必要です。
- 親子で遊んだ様子: 子供は好きな絵柄を見つけると目を輝かせながら「あった!」と指差したり、「これだ!」と嬉しそうに取ったりします。親も一緒に探すことで、子供は「パパ(ママ)より早く見つけたい!」とさらに集中することもあります。最初はなかなか見つけられなくても、繰り返すうちにどんどん早くなっていく成長を感じられます。
ねこねこ探偵
- 対象年齢目安: 5歳から
- プレイ人数: 2~4人
- プレイ時間目安: 20分
- ゲーム概要: たくさんの猫が描かれた大きなボードやカードを使って、お題で指定された特徴(例:「赤いリボンをつけた猫」「帽子をかぶった猫」など)を持つ猫を探し出すゲームです。絵探しや間違い探しのような要素が含まれています。
- ここがポイント: 複雑な絵の中から特定の特徴を持つ対象を見つけ出す、細部への注意深さや比較検討する観察力が求められます。お題の特徴を正確に理解し、絵と照らし合わせる思考力も同時に育まれます。
- 親子で遊んだ様子: 子供はボードの絵柄をじっくりと眺めながら「どこかな?」「あの子、似てるけど違うね」などと声に出して探します。見つけた時の「見つけた!」という達成感は大きく、根気強く探す力を育みます。親子で協力して探したり、「どっちが早く見つけられるかな?」と競争したり、様々な遊び方ができます。絵柄が可愛らしいので、見ているだけでも楽しめます。
ナンジャモンジャ
- 対象年齢目安: 4歳から
- プレイ人数: 2~6人
- プレイ時間目安: 15分
- ゲーム概要: 不思議な生き物「ナンジャモンジャ族」が描かれたカードをめくり、出てきた生き物に自由な名前をつけます。次に同じ生き物が出た時に、その名前を誰よりも早く叫んだ人がカードを獲得できるという記憶力と観察力を組み合わせたゲームです。
- ここがポイント: 新しいカードが出た時には「この生き物はどんな形をしているかな?」「どんな特徴があるかな?」とじっくり観察し、名前と結びつけます。そして、次に同じカードが出た時に、以前つけた名前を思い出しつつ、目の前の絵柄が記憶しているものと同じかを確認する観察力が必要になります。
- 親子で遊んだ様子: 子供たちの自由な発想でつけられる名前が面白く、自然と笑顔が溢れるゲームです。「バナナおばけ」「ぴょんぴょん星人」など、子供ならではのユニークな名前に親も驚かされます。名前を覚えるのは記憶力ですが、似たような絵柄の中から「これは前に見たあの子だ!」と瞬時に見分けるには、しっかり観察して特徴を捉えていることが重要だと感じます。
ボードゲームが家族にもたらす価値
今回ご紹介したような「見る力」を育むボードゲームは、お子さんの成長をサポートするだけでなく、家族が一緒に楽しむ貴重な時間を提供してくれます。一つのゲームを囲んで、同じ絵柄を探したり、発見した喜びを分かち合ったりすることは、親子のコミュニケーションを深める素晴らしい機会となります。
デジタルデバイスから離れて、アナログなボードゲームの世界でじっくりと絵柄を観察し、発見する喜びを親子で共有してみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見と笑顔に満ちた家族の時間となるでしょう。