ボードゲームで親子の会話が弾む!コミュニケーションを深めるゲーム選び
はじめに
お子さんとの毎日の遊びの中で、「もう少し違う関わり方をしたい」「子供がどんなことを考えているのか、もっと知りたい」と感じることはありませんか。テレビや動画を見たり、決まったおもちゃで遊んだりする時間も楽しいものですが、時には新たな刺激を取り入れたいと考えることもあるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、ボードゲームを家族で楽しむ時間です。ボードゲームは単なる遊びの道具としてだけでなく、親子のコミュニケーションを豊かにするための素晴らしいツールになり得ます。
ボードゲームが親子のコミュニケーションを深める理由
ボードゲームを囲む時間は、普段の生活では生まれにくい特別なコミュニケーションの機会を提供してくれます。
- 顔を合わせて話す時間が増える: スマートフォンやタブレットから離れ、同じテーブルを囲み、お互いの顔を見ながらゲームを進めることで、自然と会話が生まれます。
- ルールの理解や相談が会話に繋がる: ゲームのルールを一緒に読んだり、次にどうするか相談したりする中で、言葉のやり取りが発生します。幼いお子さんには、親御さんが分かりやすくルールを伝えることも大切なコミュニケーションです。
- 子供の考え方や感情を知る機会: ゲーム中の子供の反応や発言から、「こんなことを考えていたんだ」「こんな風に感じるんだ」といった、普段は見えない子供の一面を知ることができます。
- 成功や失敗、感情を共有できる: うまくいった時の喜びや、負けてしまった時の悔しさを一緒に経験することで、感情的な繋がりが生まれます。
ボードゲームは、親子の間に流れる空気を和やかにし、自然な形で会話を引き出すきっかけとなるのです。
コミュニケーションが深まるボードゲームの選び方
親子のコミュニケーションを重視する場合、どのようなボードゲームを選べば良いのでしょうか。いくつかのポイントをご紹介します。
- ルールがシンプルで分かりやすいもの: 複雑なルールはゲームの進行を妨げ、会話の余裕をなくしてしまいがちです。特にボードゲーム初心者や小さなお子さんと遊ぶ際は、直感的に理解できる簡単なルールのゲームを選ぶと、ゲームそのものよりも会話に集中しやすくなります。
- プレイヤー同士のやり取りが生まれやすいもの: 勝敗を決めるだけでなく、協力したり、相手の考えを予測したり、お題について話したりするなど、プレイヤー間のインタラクション(相互作用)が多いゲームは、自然と会話が生まれます。
- 正解が一つではない、または自由な発想が活かせるもの: 自分の考えや感じたことを言葉にする機会があるゲームは、子供の個性や思考を知る良い機会になります。
- プレイ時間が短めのもの: 飽きてしまう前にゲームが終了することで、「楽しかったね」「次はこうしよう」といった振り返りの会話に繋がりやすくなります。
これらのポイントを踏まえて選ぶと、ゲームそのものだけでなく、ゲーム中の会話や終了後の振り返りも楽しい時間となるでしょう。
親子のコミュニケーションを育む具体的なボードゲーム例
上記の選び方のポイントを踏まえ、幼児から小学生低学年のお子さんと一緒に楽しめる、コミュニケーションが生まれやすいボードゲームをいくつかご紹介します。
ナンジャモンジャ
- ジャンル: カードゲーム、名前当て
- 対象年齢目安: 4歳ごろから
- プレイ人数: 2~6人
- プレイ時間: 15分程度
「ナンジャモンジャ」は、めくられたカードに描かれた奇妙なキャラクターに、プレイヤーが好きな名前をつけていくゲームです。同じキャラクターが再びめくられたら、その名前を誰よりも早く叫びます。
このゲームの面白い点は、決まった名前がなく、子供の自由な発想でユニークな名前が次々に生まれることです。「えー、この子は〇〇っていう名前にしよう!」「なんでその名前にしたの?」といった会話が自然に生まれます。子供の豊かな想像力に驚かされたり、思いがけない言葉のセンスに笑ったりと、名前をつける過程や、その名前を覚えようとする時間そのものが楽しいコミュニケーションになります。ルールも簡単で、すぐに遊ぶことができます。
ハッピークリスマス
- ジャンル: 協力型ボードゲーム
- 対象年齢目安: 3歳ごろから
- プレイ人数: 1~4人
- プレイ時間: 10分程度
「ハッピークリスマス」は、プレイヤー全員で協力して、サンタさんとトナカイさんがプレゼントを時間内に配り終えることを目指すゲームです。「協力型ゲーム」とは、プレイヤー同士が競い合うのではなく、力を合わせて共通の目標達成を目指すジャンルです。
このゲームでは、「次にどこへ行こうか」「どのプレゼントを先に配ろうか」といった相談が必要です。幼いお子さんでも、「こっちに行きたいな」「これは〇〇ちゃんにあげるの」のように、自分の考えを伝えようとします。親御さんは、子供の意見を聞きながら、「じゃあ、〇〇ちゃんがこの道を通ってみようか」のように、一緒に作戦を立てるサポートができます。協力して目標を達成できた時には、大きな達成感を共有し、「やったね!」「みんなで頑張ったね!」といった喜びの会話が生まれます。
どうぶつかな?
- ジャンル: カードゲーム、質問ゲーム
- 対象年齢目安: 4歳ごろから
- プレイ人数: 2~4人
- プレイ時間: 10分程度
「どうぶつかな?」は、カードに描かれた動物を当てるために、相手に「これは飛べる?」「これは大きい?」といった質問をしていくゲームです。
このゲームは、質問と回答のやり取りそのものがゲームの進行となります。子供は「どういう質問をしたら動物が特定できるか」を考え、言葉を選びます。親御さんは、子供の質問に分かりやすく答えたり、「〇〇かな?って質問してみたらどうかな?」とヒントを出したりしながら、会話を弾ませることができます。動物の名前や特徴を覚えたり、論理的に考えたりする力も養われますが、何よりも「言葉を使って情報を引き出す」というコミュニケーションの基本的な練習になります。シンプルなルールながら、子供の質問力や推測力を伸ばしながら、楽しく会話を深めることができます。
ゲーム中の親の関わり方のヒント
ボードゲームをコミュニケーションの機会とするためには、ゲーム中の親御さんの関わり方も大切です。
- 結果よりもプロセスを褒める: ゲームに勝ったか負けたかだけでなく、「難しい質問をよく考えたね」「〇〇ちゃんの名前、面白くて覚えやすかったよ」「一緒に協力できて楽しかったね」のように、ゲーム中の子供の工夫や行動、会話の内容に注目して言葉をかけると、子供は「ゲームって楽しい」「話すことって楽しい」と感じやすくなります。
- 子供の言葉に耳を傾ける: 子供がゲーム中に何か話したら、まずはしっかりと聞いてあげましょう。たとえゲームの進行に関係ないことでも、そこから子供の興味や関心が見えてくることもあります。
- 答えをすぐに教えない: 子供が困っていても、すぐに正解や答えを教えるのではなく、「どうしてそう思ったの?」「他にはどんな方法があるかな?」のように問いかけ、考える手助けをすることで、子供自身の言葉で考えを表現する機会を与えられます。
これらの関わり方を意識することで、ボードゲームの時間がより質の高いコミュニケーションの場となります。
まとめ
ボードゲームは、電源を使うおもちゃとは一味違う、温かいコミュニケーションを生み出す魅力を持っています。今回ご紹介したゲーム以外にも、お子さんの年齢や興味に合わせて、様々なボードゲームが見つかるでしょう。
ゲーム選びに迷ったら、まずは簡単なルールで、プレイヤー同士のやり取りが生まれやすいものから試してみてはいかがでしょうか。ボードゲームを囲む時間が、親子の笑顔と会話で溢れる、かけがえのないひとときとなることを願っています。